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耳鼻科の病気での咳

1)痰がらみの咳

鼻汁の、のどへの垂れ込みによる、からんだ咳です。
鼻の病気でアレルギー性鼻炎の鼻水あるいは蓄膿症(急性、慢性副鼻腔炎 )のため、さらさらの鼻水あるいは濃い、ねばい鼻汁がのどにからんで咳や咳払いがなかなか止まらない。
耳鼻科的には後鼻漏という症状で治療してもなかなか改善しないことがあります。厄介な症状でEM療法という少量マクロライド治療で治療剤を少なめにゆるく設定し、場合によっては比較的長い期間治療が必要となることがあります。乳幼児の咳についても鼻の様子に注意を払って下さい。
適切な抗生物質と蛋白分解酵素剤、去痰剤などをうまく組み合わせ治療していきます。問題はこの際、咳止めを加えるかどうかという点です。咳は痰(鼻汁)を体外に出そうとする身体の防衛反応とも考えられ、むやみに咳止めを使うと黴菌の多い
鼻汁が気管に落ち込み最悪、慢性気管支炎の一種、気管支拡張症を合併するようなことがあります。
(副鼻腔―気管支症候群)従って明らかな後鼻漏が原因となっている咳について咳止め剤の使用は細心の注意を必要とします。

2)のどのいがいが、かゆみに伴うから咳

よくあるパターンはのどの急性炎症が治まって痛みがとれ、やれやれと思ったあたりから、夜寝ようとすると体が暖まったり、部屋の気温の変化に伴って咳が出始めなかなか寝付けない。
咳止めをいくら飲んでも良くならない。
このようなケースはアレルギー喉頭炎が考えられます。この症状については薬剤の組み合わせに少し工夫を要します。うまく組み合わせるとすぐ改善します。

3)非常に危険な咳

犬の遠吠えのような咳は急性喉頭蓋炎(クループ症候)が発症した疑いがあります。
気管のふたである喉頭蓋が炎症により腫れて浮腫を起こし、息を吸うことが困難になる状態で呼吸困難のため救急入院の対象になります。最悪の場合、気管挿管、気管切開が必要になる場合があります。
耳鼻科では間接喉頭鏡あるいは喉頭ファイバースコープで状態を確認し必要に応じてボスミン、ステロイドを吸入、さらには酸素吸入を行いますがこの際血液内の酸素の量が目安(sPO2)となります。
94%を切るようで、陥没呼吸(胸がへこむ呼吸)があれば救急に搬送する必要があります。
喉頭蓋炎の初期症状として声枯れ、嚥下痛、発熱(多くは高熱)で
特に乳幼児に起こりやすいのですが大人でも特に糖尿病を合併しているケースは要注意です。
以上のような咳嗽はあくまで肺炎、急性気管支炎、気管支喘息、気管異物そのほか下部気道疾患の有無を確認した上でのもので肺レントゲンが必要であることは勿論です。

耳鳴りについて

耳鳴りはジーン、ピーン、キーン、ジージー、シーンなどいろいろな種類の異常音が耳の中あるいは頭の中(頭鳴り)で、時々あるいは常時、持続的に聞こえ、持続的な場合は非常に不愉快でいわゆる耳障りとなり会話の邪魔、時に不眠の原因となります。
ただし正常聴力の人でも一時的、一過性に耳鳴りを自覚することは結構多いのでたまに
感じる瞬間的耳鳴りについてはあまり神経質になる必要はないでしょう。
また耳垢、外耳炎、中耳炎、鼓膜炎なども一時的耳鳴りの原因である場合もあり、また
顎関節の異常によるクリック音(コキン、コキン)が耳鳴りと感じることもあります。
さらに血圧に関係して脈を打つような血管音が聞こえることがあります。
さて病的耳鳴りの原因は第一に内耳蝸牛から発症する耳鳴りで、ほとんど大なり小なり難聴を伴い、さらに耳がつまる感じやめまいを伴うことがあります。高音域の難聴に於いては金属性の耳鳴りを伴うことが多いのです。特に急激に発症した場合は突発性難聴、音響外傷、外リンパ瘻などの治療に急を要する疾患が考えられます。突発性難聴についてはすでに別記してあるので省略。聴神経腫瘍も原因となっていることもまれにあるので要注意。
疑わしい場合は耳鼻科医がCTあるいはMRIで検査します。音響外傷は工場で発生する瞬間的爆発、巨大音やライブコンサートでスピーカーの近くでの大きな音(このケースは意外と多い)、運動会におけるスターター・ピストル音、パチンコ店の騒音(従業員については慢性的騒音)交通事故時のエアバッグ破裂音などが原因であり早期の適切な診断治療を行えば改善、治癒することが可能です。騒音職場での長年にわたる騒音暴露の障害は騒音性難聴として障害の程度によって騒音職場離脱後、労働災害補償の対象となります。このような職場では耳栓の使用が必要です。(騒音性難聴認定)
外リンパ瘻は頭部外傷(交通事故など)、りきみ、強すぎる鼻かみなどで発生する第二鼓膜の破裂により内耳液の漏出により起こる内耳障害で、多くはめまいを伴う高度難聴で時に突発性難聴と当初診断を受けることがあります。手術を行い内耳窓破裂が確認できれば穿孔部を閉鎖し回復させることが可能です。
耳鳴りの検査は純音聴力検査機を用いるラウドネスバランス、ピッチマッチが一般的であるが当院ではTH-10という検査機を用い、更に耳音響放射を用いさらに明確な診断が出来ます。特に耳音響放射では純音聴力検査で発見できない内耳異常を見つけることが出来ます。この検査機は乳幼児の難聴の有無を調べることが出来ます。
慢性的耳鳴りの一般的治療は薬物療法が主である。血管拡張、血流改善剤、神経賦活剤、時に精神安定剤や抗うつ剤を組み合わせて行います。肩こりの治療剤が効果がある場合もあります。
自律神経の異常をきたすストレス、過労、睡眠障害の改善が必要な場合も多いがこれは
患者さんの日常生活での注意点でしょう。
残念ながら耳鳴りの治療はすべてうまくいくケースばかりではなく、耳鳴りの大きさを
小さく、あるいは持続的なものを時々、途切れ途切れにし、耳鳴り音の高さを低くすることは可能であり持続的な治療が必要と考えられます。

滲出性中耳炎について

幼小児、高齢者に起こる中耳炎の一種です。上気道炎 特に小児副鼻腔炎が長引くと鼻腔の奥と中耳腔を結んでいる耳管から鼻側に貯留した鼻汁(細菌だらけ)が中耳腔に入り込み感染を起こし、急性中耳炎あるいはさらにひどい化膿性中耳炎を起こします。特に鼻をすする癖があったり、鼻をひどく強くかむ癖がある場合この傾向が強いのです。

このとき耳の痛みや耳漏、難聴が発症します。幸い、痛みがあるので子供が痛がったり、熱が出たり、夜中にむずかったり、耳を触る仕草があるため家族も判りやすいため、すぐさま治療に結びつくのですが 滲出性中耳炎の困る点はこれらの症状のなかで唯一難聴のみが症状であるため患児も訴えることが少なく、特に片側だけの場合には家族も気づかないことが多いのです。

自他覚的症状がないまま難聴が進行してから初めて周囲が気づくケ−スや学校検診で鼓膜の状態が悪い、つまり鼓膜が陥凹していたり逆に膨らんでいたり、中耳腔に溜まっている滲出液が透けて見えたり、鼓膜の色が汚い、濁った状態など様々ですが正常の鼓膜の真珠光沢あるいは張りが見られない場合で聴力検査に異常がある場合に滲出性中耳炎が疑われることになります。精密聴力検査とあわせチンパノグラムという検査で聴力をより一層 正確に確認します。さらに内視鏡や手術用顕微鏡を用いて鼓膜の状態を確認します。

治療は鼻の病気を急いで改善させることが一番です。

よほど頑固で進行したケ−スではやむを得ず鼓膜切開をすることもありますがほとんどはアレルギ−性鼻炎や副鼻腔炎などの鼻の病気を改善させ耳管処置(耳管から中耳腔に空気を送る方法)を併用すれば難聴が改善していきます。

保育所や幼稚園児の健診にいきますと鼻汁がジュビジュビの子供が大変多いのにびっくりします。免疫力の弱い乳幼児の家族は言語の発達にも大いに関係する難聴を招き、静かに進行する滲出性中耳炎に気を付けてください。


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