
■滲出性中耳炎について・・・・・・平成19年6月15日
幼小児、高齢者に起こる中耳炎の一種です。上気道炎 特に小児副鼻腔炎が長引くと鼻腔の奥と中耳腔を結んでいる耳管から鼻側に貯留した鼻汁(細菌だらけ)が中耳腔に入り込み感染を起こし、急性中耳炎あるいはさらにひどい化膿性中耳炎を起こします。特に鼻をすする癖があったり、鼻をひどく強くかむ癖がある場合この傾向が強いのです。
このとき耳の痛みや耳漏、難聴が発症します。幸い、痛みがあるので子供が痛がったり、熱が出たり、夜中にむずかったり、耳を触る仕草があるため家族も判りやすいため、すぐさま治療に結びつくのですが 滲出性中耳炎の困る点はこれらの症状のなかで唯一難聴のみが症状であるため患児も訴えることが少なく、特に片側だけの場合には家族も気づかないことが多いのです。
自他覚的症状がないまま難聴が進行してから初めて周囲が気づくケ−スや学校検診で鼓膜の状態が悪い、つまり鼓膜が陥凹していたり逆に膨らんでいたり、中耳腔に溜まっている滲出液が透けて見えたり、鼓膜の色が汚い、濁った状態など様々ですが正常の鼓膜の真珠光沢あるいは張りが見られない場合で聴力検査に異常がある場合に滲出性中耳炎が疑われることになります。精密聴力検査とあわせチンパノグラムという検査で聴力をより一層 正確に確認します。さらに内視鏡や手術用顕微鏡を用いて鼓膜の状態を確認します。
治療は鼻の病気を急いで改善させることが一番です。
よほど頑固で進行したケ−スではやむを得ず鼓膜切開をすることもありますがほとんどはアレルギ−性鼻炎や副鼻腔炎などの鼻の病気を改善させ耳管処置(耳管から中耳腔に空気を送る方法)を併用すれば難聴が改善していきます。
保育所や幼稚園児の健診にいきますと鼻汁がジュビジュビの子供が大変多いのにびっくりします。免疫力の弱い乳幼児の家族は言語の発達にも大いに関係する難聴を招き、静かに進行する滲出性中耳炎に気を付けてください。
■学校定期健診について・・・・・・平成18年6月10日
毎年学校耳鼻科検診が行われ、検診の結果が各家庭に通知されます。
難聴、鼻の病気など連絡されますが、連絡を受けても実際、耳鼻咽喉科に受診するケ−スはあまり多くありません。何故でしょうか?毎年言われている、忙しいなど理由は色々でしょう。ここで少し子供の健康を考えてみてはいかがでしょうか!
プ−ルに入ると水の消毒剤(多くは塩素系)により鼻の色々な病気が悪くなることは、耳鼻科関係の色々な研究で明らかになっています。消毒剤の副作用でなくても昔、耳鼻科で鼻洗という処置があり鼻のなかを真水で洗浄していた時代がありましたが現在は全く行われていません。鼻粘膜に対する真水の浸透圧の副作用が判ってきたからです。つまり鼻粘膜に生えている繊毛の機能が非常に悪くなることが明らかになったのです。同様の理由で鼻うがいと称する民間療法も鼻の粘膜機能に大変悪いということがお分かりになると思います。さて、プ−ルに入り濃厚な消毒剤が鼻粘膜を刺激すると、中耳炎の発症、滲出性中耳炎の発症など子供の耳鼻咽喉科疾患が起こります。つまり中耳炎は水が耳に入ったから起こるのではなく鼻の病気が起こる、あるいは悪くなるから中耳炎になる、或いは難聴を主な症状とする滲出性中耳炎に罹るのです。また耳垢の多い場合は不潔な外耳道に水が入り、ふやけ、黴菌の繁殖を促すため外耳炎になることで、耳が痛くなるのです。あるいは湿疹が発症しかゆくてたまらず耳を引掻けば痛くなる。
水泳で鼻の調子が悪くなり、特に夜、睡眠中に鼻つまりがひどいといびきをかき、口で息をするため咽喉が渇く、のどを痛めやすい。
このように耳鼻咽喉科検診は難聴の有無、鼻の病気の有無を主として検診し必要と思われる児童については専門医の治療を勧めているのです。学校検診で異常を指摘された場合は
水泳が始まる前に耳鼻咽喉科の治療を始めることをお勧めします。
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